はじめに
ある本を読んでいた時に出てきた言葉。どうやら、一般的で曖昧な記述が自分に特に当てはまっていると感じてしまう心理的現象のことを指すという。これにより、あたかもその記述が自分に特有のものであるかのように思い込む傾向があると。「誰にでも当てはまるような言葉を使えば、誰もがそれを自分に当てはまると思うだろう」ということらしい。ま、占い師的発想というか、悪意があるとすれば詐欺師的発想のようにも思う。これは医療においても非常にかかわりが深いように感じる。医療者は個別の指導をしているようで、一般論を述べていることがほとんどだ。
医療者の発言は占い師以上に注意が必要
私の住む県は短命県というレッテルを張られているので、「この地域での生活に不安を感じるのではないでしょうか」という発言も部分的にはバーナム効果を起こすかもしれない。比較的漠然とした情報を発信したつもりでも、受け取った側が自分のことのように不安を感じてしまうのは、良いことばかりではないように思う。誰が発言するのかによっても違うと思うが、医療者のように健康に影響力のある人やメディアは特に注意が必要だと思う。
文献1は抄録しか確認できなかったが、カップルのような親密な関係者からの方が、一般的なフィードバックを受け入れやすいことを示している。
おそらく、親密さだけでなく、権威なども影響するように思う。いずれにしても、善意のように悪意を振りまいてはいけない。それはそれで困るが、それ以上に悪意があることに気づいていない場合には、本当に困ったことになると思う。
参考文献
- Handelsman MM, McLain J. The Barnum effect in couples: effects of intimacy, involvement, and sex on acceptance of generalized personality feedback. J Clin Psychol. 1988 May;44(3):430-4. doi: 10.1002/1097-4679(198805)44:3<430::aid-jclp2270440319>3.0.co;2-v. PMID: 3384972.
- 相沢 沙呼. medium 霊媒探偵城塚翡翠. 講談社. 東京. 2019.
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