はじめに
原因不明の痛みの患者の原因を考えたとき、ビタミンや鉄が痛みを修飾している可能性は否定できない。はっきりとした原因がわからない時ほど、栄養学的な面からもアプローチすることの重要性を再認識した。
ポイント
- 線維筋痛症候群 (FS) は、全身の痛み、睡眠障害、疲労感を伴う。1)
- ビタミン B 12 (VB)、ビタミン D (VD)、鉄欠乏症も同様の症状を引き起こす。1)
- FS 患者の VB、VD、フェリチン レベルと圧痛点の数には関係がある可能性がある。1)
- 鉄と VB のレベルは FS の病因発症に重要な役割を果たしている可能性がある。1)
ちなみに、この研究はトルコの研究。患者はすべて女性。線維筋痛症群のフェリチンの平均値は21.2(ng/ml)、対照群でも32.0(ng/ml)である。日本と同様、鉄が足りていない状態が通常の状態になっているのだと思う。
基準値内だから問題が無いわけではない。基本的に問題がある集団の基準値はやはり問題なのだと思う。そういう視点も必要な気がする。
参考文献
- Kucuk A, Baykara RA, Tuzcu A, Omma A, Cure MC, Cure E, Acet GK, Dogan E. Could ferritin, vitamin B12, and vitamin D play a role in the etiopathogenesis of fibromyalgia syndrome? Rom J Intern Med. 2021 Nov 20;59(4):384-393. doi: 10.2478/rjim-2021-0022. PMID: 34142515.
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