はじめに
突然発症する病気は緊急性を要するものが多い。患者が突然/急にというキーワードを出したら、以下のような病態/疾患を想起する(もっとあるかもしれないが、適宜追加する)。ただし、患者の表現を本当に突発としてよいかは、病歴を聴取する際に注意しなければならない。患者の表現をmedical termに翻訳するときに間違ってしまっては元も子もない。(朝から徐々に出現した症状も、患者にとっては突然の出来事として表現されてしまう場合もある。今まで全く症状がなかったにもかかわらず、一瞬にして、または、数分も経たないうちに症状が出現したと確認する必要がある。図を描いて確認してもよい。) 実際には、裂けたり破裂するのは秒単位。詰まったり捻じれたりするのは分単位。(文献3では、くも膜下出血でも秒単位の発症から痛みそのものがはっきりしないケースまでバリエーションがあるので、あくまでもビッグピクチャーをとらえるための方略であると指摘している。)
突然発症で想起するべき病態/疾患
- 出血
- 破裂
- 裂ける(解離)
- 穿孔
- 刺さる(異物)
- 塞栓
- 不整脈
- 痙攣
- 捻転
- 嵌頓
- 閉塞
- 片頭痛
- パニック障害(発作)
- 神経痛
- アレルギー性疾患
- 低血糖発作
- 感染症(参考文献2にはsuddenないしacuteに発症とある。最近何かと話題の人食いバクテリアなども?)
さらに、発作性で反復性の場合には以下のような病態/疾患も考えられる
- 塞栓:TIAなどの心血管系など
- 不整脈:PSVTやAfなど
- 痙攣:てんかんなど
- アレルギー性疾患:喘息や蕁麻疹など
- 片頭痛
- 低血糖発作
- パニック障害
- 神経痛:三叉神経痛や舌咽神経痛など
- 捻転:自然寛解した腸捻転など
- 嵌頓:自然寛解した鼡径ヘルニアなど
- 痙攣:筋クランプなど
OPQRSTのOに関連する部分。臨床推論で避けて通れない重要な部分だ。
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