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ベイズの定理(続)

はじめに

 ベン図からいつもの式(事後オッズ=尤度比×事前オッズ)まで変形してみようと思う。ちなみに、ベン図から感度と特異度と有病率を用いた式までの変形は以前勉強した。

ベイズの定理(以前勉強したページは以下から)

尤度比やオッズを用いた式を導く

 以前ベン図から導いた式(以前の⑤の式)から変形していく。この式は検査陽性という条件の下で、病気がある人の確率(事後確率)を示している。

① P(病|検)= 感度×有病率/{(感度×有病率)+(1-特異度)×(1-有病率)}

 事後オッズの式に変形するため、確率を用いてオッズを表現する。オッズは病気のある人の確率を病気のない人の確率で割ればよいので、以下のように示すことができる。(例えば、病気のある人の確率が0.2だったら、病気のある人のオッズは0.2/(1-0.8)=1/4=0.25と表現できる。)

② 事後オッズ=P(病|検)/{1-P(病|検)}

 ②の分子の部分は①のままでよいが、分母の部分を整理すると③のように変形できる。(青のマーカー部分はプラスとマイナスで0になる。)

③ ②の分母=1-P(病|検)
={(感度×有病率)+(1-特異度)×(1-有病率)-(感度×有病率)}/{(感度×有病率)+(1-特異度)×(1-有病率)}
={(1-特異度)×(1-有病率)}/{(感度×有病率)+(1-特異度)×(1-有病率)}

 ②を①と③の結果をもとに変形すると以下のように計算できる。(青のマーカー部分は通分できる。)

④ 事後オッズ=P(病|検)/{1-P(病|検)}
=[感度×有病率/{(感度×有病率)+(1-特異度)×(1-有病率)}]/[ {(1-特異度)×(1-有病率)}/{(感度×有病率)+(1-特異度)×(1-有病率)}]
={感度×有病率}/{(1-特異度)×(1-有病率)}
={感度/(1-特異度)}×{有病率/(1-有病率)}
=陽性尤度比×事前オッズ

 同じように、検査陰性の場合についても以下の式から計算していく

⑤ P(病|検)= (1-感度)× 有病率/{(1-感度)×有病率+特異度×(1-有病率)}

 検査陽性の場合と同様に、オッズは以下のように表現される。

⑥ 事後オッズ=P(病|検)/{1-P(病|検)}

 ⑥の分子の部分は⑤のままでよいが、分母の部分を整理すると⑦のように変形できる。

⑦ ⑥の分母=1-P(病|検)
=[{(1-感度)×有病率+特異度×(1-有病率)}-{(1-感度)× 有病率}]/{(1-感度)×有病率+特異度×(1-有病率)}
=特異度×(1-有病率)/{(1-感度)×有病率+特異度×(1-有病率)}

 ⑥を⑤と⑦の結果をもとに変形すると以下のように計算できる。

⑧ 事後オッズ=P(病|検)/{1-P(病|検)}
=[(1-感度)× 有病率/{(1-感度)×有病率+特異度×(1-有病率)}]/[特異度×(1-有病率)/{(1-感度)×有病率+特異度×(1-有病率)}]
={(1-感度)× 有病率}/{特異度×(1-有病率)}
={(1-感度)/特異度}×{有病率/(1-有病率)}
=陰性尤度比×事前オッズ

 よく見る形に変形できた。ベン図からいつもの公式まで導くことが何の役に立つか。暗記してしまえば試験や実務で何の不自由もない。むしろ、国家試験中にベン図から公式を導こうとする人の合格は危ういだろう。まあ、よくわからない便利さに気持ち悪さを感じる人にとって、胃薬的、もしくはマイナートランキライザー的な効果はあるのかもしれない。

参考文献

【大学数学】ベイズの定理【確率統計】

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